屹度進行

社会人ジャズCb・Tpの思考の垂れの流れ

制限と反動

制限すると反動が起きる

糖質制限開始から早3年、その反動であるリバウンドが起きている

半年間でプラス10kg、マイナス30kgから10kg戻った


原因は食事

昼食は3年間変わらず鶏肉のような動物性蛋白質ブロッコリーなどの糖質が少ない食物繊維の何かを

問題は夕食


一人暮らしを始め、狭すぎるキッチンと買い出しに億劫になり、頭痛が起きない糖質(白米は起きる)で安価で日持ちもするポテトチップスと惣菜パンに変えた

食事量も増えた

筋肉量は落ちていないように思うけれど、圧倒的に体脂肪が増えてむくみ・水分量が重く感じる


BMI25換算で78kgが標準体重なので、現在の87kgは9kgほど標準より多い

洋服のサイズは幅だけでいうとMとLの間であり、背丈的に178~179cmなので元々Mでは少し足りない

10kgの揺り戻しで一番の驚きは靴のサイズがきつくなったこと、足も当然のように痩せていたようでリバウンドと同時に足の臭い・雑菌の発生も起きるようになったと思う


足の臭いを発端に腋や関節といった汗腺の働きが悪くなった

運動後でも発汗が起きない・体温上昇と共に発疹が起きる・暑い寒いが鈍くなるなど新陳代謝の低下が顕著に

これらは入浴による発汗や運動・トランペットの呼吸などで改善されつつはあるけれど


糖質制限開始時は糖質を制限するという感覚がなかった

ただ単純に糖質制限という痩身法がテレビで流れていたので試しにやってみた

これが人生における初めてのダイエットへの試みだった、ということが今思うと大きかったのだろう


110数kgあったため、糖質制限を開始してすぐに身体中から軽く水分が抜けた

5日で5kgほど体重が落ちた

それからBMI24付近の体重に至るまで毎月1~2kgずつ減量し続けた


糖質制限の方法は至極単純なもので、まず食物に対する思考を”タンパク質・脂質・糖質”の3種類に分ける

自分の感覚で糖質、糖質を多く含む食物繊維だと思うものを口にしない

動物性だろうと植物性だろうと関係なくタンパク質と脂質で食事を構成するだけ


糖質制限開始から現在まで、米を食べたいという欲求に駆られたことは一度もない

麺やパンは食感という点で、揚げソバやフランスパンを年に数回口にするけれど

米に関しては元々丼ものや白米がそれほど好きではなかったということと、白米摂取時に必ず見舞われる頭痛があったことから主食を断つことは容易だった


米やパンが占めていた主食は自然と鶏のささみや胸肉となり、糖質が含まれない調味料の選択を続けることから塩コショウや醤油程度の薄味へと移行する

特に変化を感じるのは、糖質とセットで用いられやすい自身も糖質であるニンニクを一切摂取しなくなったことだ

脂質はアーモンドなどのナッツの間食と毎朝の珈琲に溶かすココナッツオイルで補っている


酒類は元より飲む習慣がないのでどうとも言えないが、糖質の観点で言えばウィスキーやジンなどの蒸留酒をストレートで飲むことは問題ないようだ

血行がよくなったり、代謝の向上など適量に留めることで百薬の能を得られると思う

酒を飲むとアテが、などということも聞くが、糖質制限を行うと薄口の物を好むようになるので塩分の濃いナッツ類はおそらく避けることになると思うが知る由もないので置いておく


こうして書き並べると誰かトレーナーなど第3者に管理されているかのように見える

しかし、これらは紛れもなく一人で行った

可能にした最も重要な要素は上で述べた”制限するという感覚がなかった”ことに尽きる


糖質制限開始時に掲げた注意点は一つ”リバウンドしないこと”

案の定注視していた通りの結果がやってきたのだけれど

こればかりは未体験の感覚だったので今もなお自分自身と向き合いながら変化を楽しんでいる


そもそもなぜ、いつまでに何kg痩せる、モテたい・あの服が着たいなどの現実的な目標やゴールを一切決めることなく、ただただリバウンドすることだけを注意したのか

それは減量したという成果が無駄になるから、ではなく、リバウンドによる身体への負担が肥満であり続けるよりも相当大きいと考えたからだ

血管にしろ、臓器にしろ、それらすべてを司る脳にしたって、若いうちにも歳を取るにつれても標準体型の人と比べるのはもちろん、ずっと肥満体型であり続ける人よりも傷みが早まるのは明らかであり、ギャンブルと同じく常習性も持ち合わせていると踏んでいる


リバウンドに常習性があることを危ぶむ直接的な記載を目にしたことはないが、自分が今リバウンドをした・しているという現状においてリバウンドには常習性があると考えている

常習性を感じた理由は”糖質を制限しなければいけない”と認識してしまったことに始まる

表現として難しいが、リバウンド以前は糖質を制限していた、というよりは糖質を摂取しなかったという状態に近いのではないか


制限は外部・外的要因から作用されるものであり、自主的・自発的な要因が占める割合が少ないように思う


リバウンド以前の糖質制限は、当然糖質制限に関して知識がなかったこともあり、体脂肪の加水分解のメカニズムや血糖値に関するエビデンスなど片っ端からある程度信用できそうな記載を読み漁って自分から学び実践していった

特に体脂肪の分解・筋肉量と基礎代謝のメカニズムを知ってからは、自分なりに解釈を加えて例よりも糖質を制限したり方法を変えて自身の身体に起きる変化が即座に現れることに悦びを覚え、嫌いだったウェイトトレーニングにも精を出して取り組むようになり生理学に関しても知識をつけていくことができた

つまり、糖質制限+筋力トレーニングをしていますと口語的には表現するものの、やっていることは進んで身体から体脂肪を減らし自分が希望する部位の筋肉量を増やすことに邁進していたといえる


加えて、糖質制限を医療・治癒方法として取り入れている糖尿病・てんかんのような脳症に関する知識も合わせて学んだ

インスリンの分泌や効果、体脂肪の加水分解によるケトン体の上昇・糖質に代わってエネルギーと変化する仕組みなど

方法論は糖質をカットして筋力を増やすこと以上に何もないが、それらによって体内で科学的に何が起きているのかを自分で噛み砕いて理解する


これらの自主的・自発的に行った減量に対するアプローチの記憶や体験はなくなることがない

故に制限しているという心理が起こり、一生向き合っていかなくてはいけなくなったのではないかと考える

知らないほうがよかった、知識のパンドラの箱とも言うべきか


これらの得た知識や経験が何らかの方法で消し去る事ができたなら、リバウンドは起きないのかもしれない

急に減量した時点から生活が始まることのほうがよっぽど悪影響を与えると思うけれど

制限と反動、それはどちらも得てしまってからは手放すことのできない枷なのである